水素エンジンはガソリン車の代わりになる?内燃機関の生き残り戦略とは

雑学

こんにちは、すまらぼです!

「内燃機関は終わった」と言われて久しい昨今。世はEV一色、カーボンニュートラルだSDGsだと叫ばれておりますが……。

待てぃ。エンジンの鼓動を愛する我々にとって、それは死刑宣告に等しいのではないか。

マフラーからの爆音、ギアを上げたときの高鳴り、ピストンが暴れる鼓動。それは「ただの移動手段」ではない。魂との対話なのだ!

とはいえ、地球はひとつしかない。となると内燃機関にも、再起の道はあるのか?

――出てきましたよ、救世主。そう、水素エンジンです。

そこで今回は、「水素エンジンはガソリン車の代わりになる?内燃機関の生き残り戦略とは」についてご紹介します。

水素エンジンはガソリン車の代わりになる?内燃機関の生き残り戦略とは

EV一強時代における「異端の炎」

現在、自動車業界はEV(電気自動車)一色。テスラをはじめ、BYD、フォルクスワーゲン、日産など、どこもかしこもモーター&バッテリーに全振り。しかし、モーターの静寂さとトルクには魅力があるものの、「クルマを操る歓び」とはちょっと違う。そう思うのは私だけではないはず。

そんな中、現れたのが水素エンジン。電気ではなく、水素を燃やしてピストンを動かす。つまり、ガソリンの代わりに水素を入れれば、あのエンジンサウンドも、ドライビングフィールもそのまま!

方式 エネルギー源 駆動方式
EV 電気(バッテリー) モーター
水素エンジン 水素ガス 内燃機関(ピストン)

内燃機関は死なず!その証を示したのが、あのトヨタ。彼らはレースという“最前線”で、水素エンジンを暴れさせているのです。

トヨタが挑む、水素エンジンのレース革命

2021年、スーパー耐久レースに突如現れたのが「GRカローラH2」。中身はバリバリの内燃機関、ただし燃料は水素。これ、ただの話題作りじゃありません。

この車両、ノーマルのGRカローラのG16E-GTSエンジンをベースにしており、水素用の高圧インジェクター、点火マップ、排気温度管理など、改造はガチンコ。

しかも水素って、燃焼速度が速い=ノッキングしやすいんです。そのため点火タイミングや空燃比調整は常に命がけ。さらに、窒素酸化物(NOx)を抑える排気制御も絶妙。トヨタ、変態的なレベルで仕上げてきてます。

水素エンジンの魅力と課題

魅力は何といっても「エンジンの鼓動を残せる」こと。そして、排出されるのはほぼ水。CO₂とは無縁です。では、課題は?

爆発的なエネルギー密度と「安全性問題」

水素は非常に軽く、爆発力も強い。扱いを誤れば「ドッカーン」です。だからこそ、トヨタはタンク素材にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を使い、爆轟試験を繰り返して安全性を確認しています。ですが、事故時の世間の目はシビア。メディアが「水素車爆発!」なんて報じたら、即終了です。

燃費と航続距離の壁

ガソリンと比べて体積エネルギー密度が低い水素は、同じ距離を走るには大量に積む必要があります。しかも高圧。充填にも技術が必要。現時点では“インフラの壁”が高すぎます。

水素社会への道とその分岐点

水素エンジンは、水素そのものの供給がネック。特に注目すべきは「グリーン水素」か「グレー水素」かの違い。

グリーン vs グレー:環境性能の分かれ道

水素は電気分解で製造されますが、これを再生可能エネルギーで行ったものが「グリーン水素」、化石燃料を使ったものが「グレー水素」。水素エンジンの環境性能は、その源に大きく左右されます。

インフラ構築の現実

充填所の設置には数億円かかり、許認可も複雑。しかも需要が読めない。日本はようやく200か所を超えた程度。一方、ドイツや韓国、中国では国家主導で整備が進んでいます。

世界の動向と日本の進むべき道

欧州では、水素燃料電池車(FCEV)よりも水素内燃機関にシフトする企業も現れ始めています。特にBMWは水素内燃を本気で検討中。

豪州、中国、ドイツの野望

オーストラリアは水素輸出国としての地位を狙い、中国は地方政府が水素バスを大量導入。ドイツではe-fuelとの連携で“脱EV”戦略を模索中。

日本の独自戦略は“エンジン愛”にある

EV一本槍の欧米と違い、日本は内燃機関への情熱を捨てていません。トヨタを筆頭に、マツダ、スバルも「走る楽しさ」を捨てない姿勢を貫いています。

未来予測:水素エンジンの生き残りシナリオ

すべてがEVに収束する未来ではなく、選択肢のひとつとして水素エンジンが生き残る可能性は高いといえます。

内燃機関+カーボンニュートラル=最強説

技術は進化するもの。水素エンジンもまだ初期段階ですが、改良が進めば、騒音・排ガス・コストすべてでEVと肩を並べる可能性は大いにあります。

まとめ: 結論と今後の展望

水素エンジンは「内燃機関の延命」ではなく、「進化したロマン」です。技術的にも社会的にも課題は山積み。しかし、それを乗り越える情熱が、今のクルマ好きたちにこそ求められているのかもしれません。

“音がする車”が完全に消えてしまう前に。エンジンの咆哮を、次世代に残したい。そう願う人々の希望として、水素エンジンは今日も回り続けているのです。

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